大谷翔平選手のバイオハッキング的な食事術

WBCの活躍でさらに注目された大谷翔平選手だが、その裏には徹底的なこだわりがある。トレーニングや食事などすべてにおいての最適化を目指しているそうだ。つまり、彼は一種のバイオハッカーと言ってもいい。食事もきびしく、他の選手たちが外食する中、彼は外食への誘いを嫌がり、結局3回しかしなかったという。

ヌートバー選手などはラーメンや餃子をよく食べたそうだが。もっとも彼の場合日本にいる間しか食べるチャンスがなかったので、また意味合いが違うが。

数少ないチームメイトとの外食が大阪での焼肉で、近藤選手が中央にいる集合写真が話題になった。

そう、焼肉は唯一の例外らしく、外食する時は常に焼肉だという。

大谷翔平選手にとって、食事とは楽しむためのものではなく、栄養補給のためにあり、自炊する時は調味料も一切使わないという。

僕と意外と気が合うかも。(笑)僕も栄養を最優先し、味にはほとんどこだわらない。スーパーフードと言われるものなら、どんなにまずくても食べられる。ゴーヤも生でかじられるからね。

では、彼の言う栄養とは何なのか? どのような栄養を得ているのか。

その基礎は、日本ハム時代に契約していた管理栄養士の大前恵さんによって、築かれたようだ。

1、主食、2、おかず、3、野菜、4、果物、5、乳製品の5つの柱があり、各栄養素をバランスよく摂っていたという。主食のご飯からは炭水化物、おかずからはタンパク質と脂質、野菜からはビタミンとミネラル、果物からはビタミンと炭水化物、乳製品からはタンパク質とミネラル。

つまり、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素をバランスよく摂っていたことになる。

特にタンパク質には気を使い、一日に体重の2倍にあたる数字をグラム数で摂っていたという。95キロの場合は190グラムと。例えば食事の一例が一汁五菜だったのだが、五菜のうち三菜をタンパク質系にしていた。ひとつは卵と鮭で、もうひとつが鶏肉入り煮物だった。鶏肉には油も多いのでそこでは脂質もカバーすると。三菜目が乳製品で牛乳だった。(菜というかドリンクだが)

メジャーに渡ってからはまた変わり、ダルビッシュ選手に教わってからは、1日7食こまめに取るようにしているそうだ。シーズン中はエンジェルスの食堂で食べているようだ。選手は好きなものを取って食べられるようなカフェテリア風になっているそうだが、そこでも栄養バランスを意識して食べているのだろう。

あと、彼はサプリメントも摂り、3時間おきに摂取しているという。トレーニングの前後にはプロテインと10種類のサプリを摂ると。これこそまさにバイオハッカーのようだが。僕はサプリメントはあまり高く評価していない。できれば食事から摂ったほうがいいと思っているのだが、まあ、アスリートの場合は例外とも言えるだろう。

ただ、大谷選手のこうしたこだわりはすごいと思う。栄養等についても自分でいろいろ調べ勉強しているそうだ。自分の身体のことを自分で調べ、主体的に管理していく姿勢こそがバイオハッカーで、そこは高く評価する。

僕らも大谷選手の食事術から学べることがたくさんあるだろう。ただ、長寿のための食事法と、アスリートのものではまた違う。まして身長193センチで体重が100キロ近い人の場合と、平均的な日本人とでは。

例えばタンパク質量は大きく変わってくる。僕の場合、体重より少ない。約60キロなので60グラム以下ということ。それどころか、最低ラインである48グラムよりも少ない。これは、長寿の鍵となるオートファジーを活性化させる上で、タンパク質量は減らしたほうがいいからだ。かといって減らし過ぎてもいけない。ヴィーガンの人などでありがちなのがタンパク質不足になっていること。中高年といえでもタンパク質は必要で、逆に中高年だからこそタンパク質が必要だとも言える。老年期の事故の多くが転倒によるもので、これを防止するために筋力強化が必要になり、そのためにはタンパク質が不可欠だからだ。

では、どのぐらいの量が適切なのか。

基本的には毎日同じではない。摂取量が多い日と少ない日がある。これは、オートファジーの逆であるmTORも活性化させる必要があるからだ。筋力増強に不可欠なmTOR。エムトアと発音。エムトアの活性にはタンパク質が必要。つまり、オートファジー活性時にはタンパク質摂取量を減らし、エムトア活性時にはタンパク質摂取量を増やす。

具体的にどうすればいいかは本をお読みください。

『自然派バイオハッキング:日本の里山で発酵させたシリコンバレー発の長寿健康法』

栄養のバランスも大事でもちろん炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素はカバーする。ただ、それだけではない。発酵食品と食物繊維にも意識を払う。例えば五菜のうち一菜は必ず発酵食品にするとか。スタンフォード大学の最新の研究によると、発酵食品こそが腸内細菌の多様性を促進する最良のものだとわかった。食物繊維もそうで、こちらはただ食滅繊維を摂ればいいのではなく、多様性が鍵となる。種類を多く摂るということ。では、週に何種類ぐらい摂ったほうがいいのか。こちらも本に書いてある。

『自然派バイオハッキング:日本の里山で発酵させたシリコンバレー発の長寿健康法』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です