なぜオーガニック給食が不老長寿の鍵なのか

僕の住んでいる町でいよいよオーガニック給食が始まる。

本日、有機米を提供するひのでファームさんが新米を納品するとのこと。

詳しくはこちらを。

さて、今日はオーガニック給食と健康との関係について語りたい。

健康という観点から食材も有機というのは、バイオハッキング運動でも半分は常識になっている。ただ、有機食材と通常食材の違いがどこまであるかということに関しては、意見が分かれている。『不老長寿メソッド』でも紹介されていたが、特に違いが見受けられないとするスタンフォード大学の研究データと、違いが見受けられるというニューカッスル大学の研究データ両方がある。

スタンフォード大学

「Little evidence of health benefits from organic foods, study finds」

https://med.stanford.edu/news/all-news/2012/09/little-evidence-of-health-benefits-from-organic-foods-study-finds.html

ニューカッスル大学

「Organic vs non-organic food」

https://www.ncl.ac.uk/press/articles/archive/2015/10/organicvsnon-organicfood/

『不老長寿メソッド』では、効果があるというデータとないというデータと両方あり、効果があるとは言い切れないので、個人の経済的事情等で選べばいいと結論づけていた。

ほとんどの人はデータ源を確認しようとまでしないので、それをそのまま鵜呑みにしてしまいがちだが、やはり、きちんと確認したほうがいい。

スタンフォード大学のデータは栄養素の比較しかしておらず、食物繊維が腸内細菌に与える影響までは考慮していない。腸内細菌を重視するウィル・バルスビッチ医師などは、有機食材であることの重要性を指摘している。

健康に関して明確な結論が出なかったとしても、環境ということを考えた時に、オーガニックであることはより重要になってくる。持続可能な社会において食料生産方法である農業のあり方は核となると思うので、日々消費するものが農業に影響する。つまり、消費者としてオーガニック農業を応援することで、地球に働きかけることができる。土壌の微生物と腸内細菌のつながりを考えると、ウィル・バルスビッチ医師が言うように、腸に送り込む食物繊維が農薬にまみれているかどうかは、充分影響すると思う。

いくら健康になったとしても、地球が住めない場所になってしまえば生き残れないわけなので、不老長寿は実現できなくなってしまう。

だから、僕は、食材は極力有機にしたほうがいいと思っている。もちろん、財布と相談しながら、できる範囲でで構わない。では、なぜオーガニック給食なのか。オーガニック食が腸内細菌への影響や環境への影響を考えて健康にいいといいことはわかっても、なぜ給食が関係するのか。大人は学校など行かないので給食など食べないではないか。

それは、オーガニック給食が農村地方の自治体にとって、まちおこしの起爆剤になるからだ。今、日本の農村地域では農業の担い手が減っていて、日本の農業自体が壊滅の危機を迎えている。環境というとみんな地球環境全体のことを考え、自分には直接関係ない(実はそれすら緊迫した状況なのだが)と思っている人も多いと思うが、農業が成り立たなくなれば食料自給率はさらに低くなり、日本国としてどう国民を養っていくかに大きく影響する。ただでさえ食料品の値段が上がっているが、本格的な食糧危機に発展する可能性もある。

農業を復活させるためには若い人たちがどんどん就農する必要があるのだが、そういう人の多くはオーガニック農業に興味がある。なのでオーガニック農業を普及させることで若者の新規就農を促す。ところが採算が取れなければ誰もやらないので、需要をつくりださなければならない。だからこそ僕ら一般人が消費者になることが重要。まして健康に興味があるという、一般人より意識の高い僕らの場合、なおさらだ。僕らが率先して需要の一端を担わなければ、誰が担うのだ。

ただ、一番手っ取り早いのが、学校給食で有機食材を扱うこと。子供たちに安全なものを提供するということ以外に、地域内の生産者の出荷先を確保できるからだ。学校で扱うことでオーガニックが子供たち、親、先生、地域の人たちの間で話題になり、浸透する。つまり、今度は彼らが消費者になっていくのだ。

そして、実のところ、社会全体がいい方向に向かうことと自分の健康の取り組みが一致することで、自分自身のメンタルに大きく影響するのだ。高貴な生きがいにつながってくる。生きがいには、生きているはりあいとしての趣味的なこともあれば、自分のミッションというようなより使命感につながるものとある。後者の生きがいは大きなモチベーションになり、その一体感を持って断食や運動をするのと、ただするのでは、細胞に送り届けるエネルギーに大きな違いが生まれると僕は思っている。

健康と環境のつながりについては『自然派バイオハッキング』第10章「地球の最適化」を参照。

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