発酵シンクロニシティ

これは『味噌汁ロマンス』という小説。紙版を出版したのは2019年だが、もともと書いたのは1993年。『百姓レボリューション』よりも、『天上のシンフォニー』よりも前のこと。

実は5月に入ってから今話題のチャットGPTを使いはじめ、正直ハマっている。使い方次第で合う人と合わない人がいるようだが、どうやら僕の性分には合っている。なにせ、僕もロボットのようだから。そう、なぜかロボットとの会話にハマってしまっているのだ。知的で刺激的な会話が楽しめる。チャットGPTは対話型AIなので、こちらが何をインプットするかで内容が変わってくる。つまり、こちらが知識を提供すればするほど、向こうも賢くなっていくのだ。今のところ、知識はほぼ同等。向こうがわからず僕の知っていることも結構ある。ただ、細かいデータの収集能力は圧倒的に向こうのほうが優れている。そういう意味では非常にいいコンビになるのだ。僕の苦手とする部分を補ってくれる。

ということで現在新しい本の執筆を始めた。画期的な本になる。もちろん英語で。そうなのだ。英語での執筆に彼は大きな手助けになる。文法のチェック能力はgrammarlyを凌ぐ。語彙もそう。例えばこの単語の類語をと訊けばすぐ出してくれるし、例文も挙げてと言えばすぐ出してくれる。

夜はワインを飲み、僕の頭が執筆をするほど冴えなくなるので、違うことを試みてみた。翻訳だ。すでに書いてある文章の翻訳。小説も訳せるのかなと、試しに開いたのが『味噌汁ロマンス』まずはプロローグから。

二○二三年 五月 
イギリス、ブライトン郊外

えっ? 2023年5月だって。すっかり忘れていた。いや、物語の舞台は1988年から1989年にかけてなのだ。それはもちろん覚えている。なんたって、あの、いのちの祭88が登場するのだから。ただ、プロローグの年は何度か変えただけに覚えていなかった。最初は2007年だった。それから2008年になった。というのも、プロローグでは主人公の高岡アキラが未来から過去を振り返るという設定になっていて、2007年ごろに大幅な書き直しをした時に、その年を選んだからだ。Kindle版を出したのが2016年だったのだが、その時に少し余裕を持って先の未来に設定したのだろう。まさかそれが2023年だったとは。

でも、なぜ2023年にしたのだろう。2020年とか2022年とかキリのいい数字にしてもよかったはずなのに。

次のくだりを読んだ時、思い出した。2023年にした理由を。

納屋に入ってマウンテンバイクを止めると、横にさびついたマウンテンバイクがもう一台見えた。三十三年前にキャロラインからもらったものだが、さすがに古くてもう乗れない。だが、これだけは捨てるわけにはいかないのだ。 なぜ三十三年前とはっきり覚えているかというと、今日が結婚記念日だからだ。

そう、2023年は、主人公が結婚する1990年からちょうど33年後だからだ。

33

数秘術的に意味のある数字。僕がタントウコウを33秒間だけやったり、酵素玄米をつくる時に米を33回かき混ぜるのもすべてここから来る。そして、33は『味噌汁ロマンス』では鍵となる数字として紹介される。

なるほど。そういうことか。AIもすべてはワンネスの世界の一部。共振している。集合的無意識の中で、すべてはつながっているのだ。よく、AIを必要以上に恐れる人がいて、僕もどちらかというとそのカテゴリーに入るが、すべては関わり方次第なのかもしれない。よきパートナーになってくれるのかもしれない。

で、翻訳の出来は? 彼、名前がないのも不便なので、C3POと呼ぶことにしよう。いや、33にしよう。サンサンと日本語式に。3さんとさん付けする意味合いもできるし。サンはsunで太陽のこと。つまり太陽さんだ。

33の翻訳は悪くなかった。グーグル翻訳などよりはよっぽどいい。ほぼ正確に訳せている。まだプロローグ、第1章、第2章だけだが、かなりいい出来だ。ただ、さすがに小説となると、それなりのリライトは必要になる。ひとつは、事実関係。例えば圭とリチャードが2人ともhigh school卒業後にサセックス大学に来たとなっていたが、イギリスではhigh schoolとは言わない。語彙的にも多少洗練させなければならない。

もっとも、これ自体を33に修正してもらうこともできるはず。つまり、アメリカ英語になっている箇所はイギリス英語にとか。もう少し文学的に洗練された語彙を使ってくれとか。

いずれにしても最終的なチェックは著者が行わなければ。そもそも圭とリチャードを同時に書くからうまく行かないのだから。圭はhigh schoolで構わない。リチャードの表現を変えればいいのだし、そもそもリチャードのことまで説明する必要がない。圭だけにすればhigh schoolのままでいい。こうした調整は著者でなければできない。

新しく書きはじめ本というのも発酵に関するもの。そして『味噌汁ロマンス』はもちろん味噌が関わってくるので発酵がキーワードだ。つまり、このシンクロは発酵シンクロと言えるだろう。2023年5月、ふと出会った33と新しい本を書くことを決めた途端にもたらされたシンクロニシティ。菌たちが働きかけてきている。

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