間欠的ファスティング後に食べるもの、食べないもの

なんでも食べていいわけではない

前回の記事でアメリカの医者が勧める16時間断食の正しいやり方を取り上げたが、では断食後に何を食べればいいのか?『空腹こそ最強のクスリ』では、16時間の空腹時さえ設けていれば、残りの8時間は何を食べてもいいと言っている。何を食べるかよりも、空腹時を設けることが大事だからと。

ただ、それはあまり細かいルールを設けるとみな実践しなくなるので、まずは確実に16時間断食を実践してもらうための方便でもあると思う。そして、それはまんざら嘘でもない。8時間に何を食べようが、毎日必ず空腹時を設けることで効果はあるそうだ。場合によっては食にこだわってはいるが断食はしていない人よりもよいと。

しかし、より厳密に考えると、それはもちろん8時間に何を食べるかは重要だ。

例えばドーナツやケーキばかり食べたらとんでもないことになる。さすがにそんな馬鹿なことをする人はいないだろうという前提で書いてあるのだろうが、いやいや、そういう人たちはいるのだ。みな自分の頭で考えていない。本にそう書いてあった、お医者さんがそう言っていたからと言って平気で常識外れのことをする人はたくさんいるのだ。

最初に何を食べるかが重要

僕だったら絶対にドーナツは食べない。なぜかというと、16時間の断食を通して血糖値が通常以上に下がっていて、砂糖などの血糖値が急上昇するものを食べたら危険だからだ。断食をしなかった時よりも悪影響を受けるので、砂糖だけは絶対食べないほうがいい。

ただ、絶対に食べてはいけないわけではなく、順番が大事なのだ。最初に食べないということ。これは『医者が教える食事術』の牧田 善二医師が言っていることだが、
1、野菜
2、タンパク質
3、炭水化物
の順番に食べることで、血糖値の急上昇を防げると。これは通常の場合なのだが、断食後はそれがさらに当てはまる。

ということで、断食後に最初に食べるべきは野菜だ。

僕は生野菜、つまりサラダを食べている。生野菜は酵素が熱を通した野菜よりも多く含まれていて、最初に食べることでより吸収できるからだ。

断食は腸内細菌が切り替わるタイミング

24時間断食をした時などは、腸内細菌が切り替わるタイミングにもなる。悪玉菌のいくつかは長時間エサが入ってこないことで弱まり、そのタイミングで善玉菌のエサになるようなものを食べることで、善玉菌を優勢にさせることができる。

発酵食品

納豆やキムチなどの発酵食品は腸内細菌叢を整えると言われ、腸内細菌切り替わりのタイミングで食べるのはとてもいい。通常、腸内細菌にいいとされるのは、発酵食品以外にも食物繊維がある。ただ、最近のスタンフォード大学の実験データでは発酵食品がより大きく作用するという。

腸内細菌叢の多様性と食物繊維

食物繊維ももちろん有益で、腸内細菌の多様性を考えた場合、多種類の食物繊維を摂ることが重要だ。腸内には様々な種類の細菌がいて、そのエサになるのはそれぞれ違う食物繊維。ということは、これを食べればいい、あれを食べればいいという議論はあまり意味をなさず、とにかくできるだけ多種類の食物繊維を摂ることが鍵。

食物繊維が豊富な食品とは

野菜、穀物、豆類、果物、ナッツ類、海藻、キノコ類など、植物性食品の多くだ。プラント・ベイスド・ダイエット(植物性中心の食事法)がいいとされる理由のひとつにこの食物繊維の豊富さが挙げられる。

まごわやさしいこ

そこで僕が勧めるのは「まごわやさしいこ」だ。「まごわやさしい」という言葉は聞いたことがあると思う。
ま:豆類
ご:ごまやナッツ、種類
わ:わかめをはじめとする海藻
や:野菜
さ:魚
し:しいたけをはじめとするキノコ類
い:イモ類

僕はここに穀物を加えて「まごわやさしいこ」としたい。これらをできるだけ多種類取るようにすることが望ましい。よく、水溶性食物繊維が大事だという人がいるが、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も両方大事で、多様性という観点からは両方満遍なく摂ることがポイントだ。

魚には食物繊維がないんじゃないか

魚はオメガ3脂肪酸が豊富でそれは腸内細菌に有益なので、その観点からいいと思う。ただ、魚をはじめとする魚介類は海洋汚染の影響を考慮する必要がある。重金属や放射性物質など。食物連鎖から考えると大きい魚によりたまりやすく、食べるなら小魚のほうがいい。放射性物質に関しては魚の遊泳圏を調べ、より安全な地域のものを選ぶといい。

白米ではなく、玄米なら糖質の摂り過ぎになりにくい

穀物というと炭水化物で、最近は低糖質ダイエットの影響から糖質を気にする人が多いだろう。ただ、糖質で一番避けなければならないものが砂糖で、上に挙げたドーナッツ、ケーキ、お菓子類だ。それ以外にも清涼飲料水や缶コーヒーなども。それらを控えた上で白米、食パン、麺類などの精製された穀物。それらに比べると玄米や全粒粉のパンやうどんならさほど影響はない。そしてそうした全粒穀物の場合食物繊維が豊富なので、その観点からは逆に摂ったほうがいい。低炭水化物ダイエットの人は食物繊維不足になりがちで腸内細菌にはやさしくないとも言われている。

紫芋は特にいい

イモはじゃがいも、さつまいも、サトイモ、山芋などだが、これも多様性が大事なので多種類食べるようにしよう。ただ、揚げたイモはよくないのでフライドポテトはNG。イモの中でもいいと言われているのがさつまいもで、特に沖縄で食べられている紅芋が長寿の秘訣と言われている。ただ、紅芋は本土では手に入らず栽培もできない。代わりに栽培できるのが紫芋で、ポリフェノールの量など紅芋とほぼ共通した健康効果があると言われている。ちなみに写真の紫芋は今日我が家で取れたもので、今年初のさつまいもとなる。以下の記事で植えたもの。

https://ameblo.jp/column-takamiya/entry-12740294862.html

あと、イモ類のいい点は育てやすいこと。自然派バイオハッキングでは家庭菜園も大切にしている。いい運動になるのと土壌の微生物に接したりするなどの複数のメリットがある。米は田んぼで育てるわけだけれど、一般人にとって田んぼは何かとハードルが高い。でも、イモなら、じゃがいも、さつまいも、サトイモ、山芋、すべて家庭菜園でできる。つまり、炭水化物源としては米よりも自給自足がしやすいということだ。

果物は身土不二

果物はまごわやさしいこには含めれていないが、食物繊維が豊富であることに違いはない。ただ、糖質でいえば白米などよりも注意したほうがいいかもしれない。特に最近の果物は糖分が多くなるように品種改良されているものが多い。僕の果物におけるポリシーは身土不二。つまり、地産地消で季節のもの。地域で取れる旬の果物に限定する。つまり、バナナやパイナップルなど日本で取れないものは食べない。バナナには様々な健康効果があると言われているけれど、別にバナナを食べなくても他の物で補えるはず。

1日2食なので栄養バランスも考えよう

間欠的断食をしている人は、OMAD以外は1日2食になるだろう。そうなると、1日3食よりも栄養バランスに気を遣う必要があって、野菜、タンパク質、脂質、炭水化物をバランスよく摂ることがポイントだ。まごわやさしいこを意識して食材を選んでいくことで必然的にそのバランスが取れる。

要約

断食後に食べる場合、まず食べる順番を考える。

1、野菜
2、タンパク質
3、炭水化物

続いて発酵食品を摂ること。

続いて多種類の食物繊維を摂ること。

その指標が「まごわやさしいこ」

穀物は玄米や全粒粉パンやうどん。

魚は小魚で遊泳圏を確認する。

果物は身土不二。

栄養バランスを考える。

食事に関して詳しくは『生きがいダイエットー哲学者が勧める食事法』を読んでもらいたい。

あるいは、こちら。

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